令和6年度通常総会が開催されました。
令和6年6月17日(月)午後2時から、アットビジネスセンター東京駅八重洲通り会議室で67会員事業所(他に委任状152名)出席のもとに標記総会が開催されました。
開会に当たり加藤会長から挨拶があり、その概略は次のとおりです。
1)会員の皆様には、ご多用のなか全国から多数ご参集いただき誠にありがとうございます。2)ご来賓の厚生労働省職業安定局長、JEED理事長には、全障協の事業活動に多大なご理解・ご支援をいただいており、厚くお礼申し上げます。3)特に、かねてより全障協が要望しておりました、障害者の長期継続雇用への事業主の取組みに対する支援の拡充、雇用施策と福祉施策の連携強化などが大きく前進してまいりました。このように、障害者雇用の第一線の声を聞いて施策に反映していただくことはたいへんありがたく、重ねてお礼申し上げます。4)昨年度で7年目となった厚生労働省委託事業については、今年度も全障協が受託することとなりました。障害者の雇用が一層進むよう全力で取り組んで参りたいと存じますので、よろしくお願いいたします。5)協会独自の事業としましては、全国7ブロックで各2回、集合形式中心でブロック会議を開催することができました。本年度も同様に開催してまいりますので、経験交流やネットワークの構築等に活用いただきますようお願いします。6)さらに、国への政策提言や全障協の今後の在り方について検討する政策委員会、全障協在り方委員会も本格的に活動を進めていただいております。会員の皆様のご意見をお聞かせいただくことも多くなると思いますので、ご多用中に恐縮ですが、よろしくお願いいたします。7)今年度は、2年ごとの役員改選の年でもあり、全障協の一層の発展に向けて、会員の皆様の慎重かつ積極的なご審議をお願いできればと存じます。
〔令和6年度通常総会の模様〕
〔挨拶する加藤 会長〕
加藤会長の挨拶後、来賓としてご臨席ただいた厚生労働省職業安定局長の山田雅彦 様と、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)理事長の輪島忍様からご挨拶をいただきました。
まず、山田局長からは、概略、次のお話がありました。
1)貴協会役員、会員の皆様には日頃から障害者雇用施策の推進にご理解・ご協力を賜り心より感謝申し上げる。また、貴協会が長年にわたり重度障害者をはじめとする障害者の雇用を積極的に推進されるとともに、職場定着に関するノウハウを培い障害者雇用の啓発・促進に努めてこられたことに改めて敬意を表する。2)わが国の障害者の雇用状況は、令和5年の雇用者数が約64万人と20年連続で過去最高を更新した。また、令和5年の実雇用率は2.33%と12年連続で過去最高を更新し、はじめて報告時点での法定雇用率を上回るなど、障害者雇用の状況は一層進展している。3)これらの実績は、貴協会会員をはじめとする企業の皆様の熱意と努力の賜物と考えており改めて感謝申し上げる。4)厚生労働省としては引き続き、障害者の雇用機会の確保をさらに進めることに加え、雇用の質の向上に取組んでいくことが重要と考えている。5)本年4月から民間企業における法定雇用率が2.5%に引き上がり、令和7年4月には除外率の10ポイントの引下げ、更に令和8年7月には法定雇用率の2.7%への引上げが予定されている。6)また、令和4年12月に成立した改正障害者雇用促進法に関して
- 雇用の質の向上のための事業主の責務の明確化
- 事業主が取り組む職場環境の整備や能力開発のための措置等への新たな助成措置
- 多様な就労ニーズを踏まえた働き方に向けた週10時間以上20時間未満で働く重度の身体・知的障害者や精神障害者の実雇用率への算定
といった内容が本年4月から施行されている。7)このような動きのなかで、厚生労働省では企業の皆様のご理解をいただきながら、ハローワークで実施する企業向けチーム支援を引き続き進めていくことに加え、今般施行された納付金助成金の拡充等の着実な実施を図ることなどにより、雇用の質にも配慮した障害者雇用の取組を全力で支援し、障害のある方一人一人がその障害特性や希望に応じて能力等を発揮し活躍できる環境の整備に取り組んでいきたいと考えている。8)貴協会におかれては、今年度も合理的配慮や雇入れ・職場定着等についてのノウハウの提供・相談支援を行う委託事業を実施していただいているところであり、引き続き本事業の推進を通じ、障害者雇用に取り組む企業に対し、雇用の質の向上にも配慮した取組が進むようご支援いただくとともに、障害者雇用施策へのご協力・ご支援をお願いする。9)私は10数年前に障害者雇用対策課長を務めていたが、当時より遙かに状況が複雑になっている中で、様々な問題を解決するためには、障害者雇用とは何かという本質論に触れ深掘りした上で対応しなければならない。障害者雇用については、他の分野以上に、現場の様々な知恵をいただく必要があるので、引き続き皆様方のご協力をお願いする。10)最後に、貴協会及び会員の皆様の益々のご発展、ご活躍を祈念申し上げて私の挨拶とさせていただく。
〔山田 職業安定局長のご挨拶〕
続いて、輪島理事長からは、概略、次のお話がありました。
1)コロナ禍が明け、それぞれの地域で活躍されている皆様が、このように一同に会して総会が開催できるということはたいへん喜ばしいことと思われ、この場を借りて障害者雇用支援に取り組まれてこられた皆様に改めて深く敬意を表したい。2)また、JEEDの様々な活動についてご理解・ご協力をいただいており、お礼申し上げる。3)さて、障害者雇用促進法が改正され、事業主に対しては雇用の質が求められている。また、法改正事項ではないが、法定雇用率が2.5%、それから2.7%と短期間に引き上げられる。こうしたことから、今まで経験したことがない中での障害者雇用への取組みが求められる時期ではないかと思われる。そうした意味では、この5年間くらいが本当に障害者雇用政策に携わる全員でそれに当たっていくという大きな機運を醸成して皆で乗り切っていく時期ではないかと考えている。4)ここからはお願いになるが、第11回国際アビリンピックを2027年フィンランドで開催することが決まっている(第11回国際アビリンピック フィンランド大会開催決定!!のパンフレットを紹介)。国際アビリンピックは日本発祥であり、日本の提唱に基づいてその活動が今、全世界に広がっているところである。5)アビリンピック地方大会で勝ち抜き、全国大会に出場し、国際アビリンピックに出て行くという、ホップ、ステップ、ジャンプの道筋があるので、是非、それに向けて障害のある皆様をご支援いただくようお願いしたい。また、会社全体で取り組みいただくと良い相乗効果もあると感じており、それが雇用の質の向上に資するものと考えている。6)歴代の国際アビリンピックの金メダル受賞者は総理大臣賞も授与される等、その栄誉がたたえられてきたので、是非、職場の皆様にそのような機会があることをお伝えいただきアビリンピックへの参加をお願いしたい。7)最後に、本日ご出席の皆様方の益々のご健勝とご活躍を祈念申し上げて私の挨拶とさせていただく。
第11回国際アビリンピックについて、詳しくはこちら
https://www.jeed.go.jp/disability/activity/abilympics/IA/index.html
(検索:国際アビリンピック フィンランド)
〔輪島理事長のご挨拶〕
来賓のご挨拶の後、加藤副会長が議長に選出され、議案が審議されました。
当日審議された議案は、令和5年度事業報告(第1号議案)、令和5年度決算報告及び監査報告(第2号議案)、令和6年度事業計画案(第3号議案)、令和6年度収支予算案(第4号議案)、令和7年度障害者雇用施策に関する要望事項案(第5号議案)及び役員改選案(第6号議案)であり、いずれも全会一致で承認されました。
これらの議案のうち、第1号議案から第4号議案までの資料は、当協会ホームページのメニュー欄「情報公開」をクリックするとご覧いただけます。(項目3〜10)
また、第5号議案の令和7年度障害者雇用施策に関する要望については、こちらを クリックするとご覧になれます。
総会後に新理事による理事会が開催され、役員の互選が行われました。その結果、加藤会長が再任されるなど、会長・副会長・専務理事・常務理事が選任されました。役員の全体構成については、こちらをクリックするとご覧いただけます。
役員の紹介に引き続き、新役員を代表して加藤会長から挨拶があり、その概要は次のとおりです。
1)ただ今、会長に選任いただきました加藤です。今回の役員改選で理事・監事を退任された方々には、長い間たいへんお世話になりました。改めて御礼申し上げます。2)コロナ禍や昨今の資材・電気料等の高騰、政府による賃上げ要請など、経営者としては、非常に困難な状況を迎えていますが、皆様方それぞれの地方、会社でしっかり対応いただいているものと存じます。3)我々の共通テーマである障害者雇用については、法定雇用率の段階的な引上げなど、その取り巻く環境は大きく変化してまいりました。身体障害、知的障害、精神障害それぞれ対応の仕方が異なるものであり、 特例子会社、一般企業、就労継続支援A型事業所など多様な会員で構成される全国唯一の団体である全障協としては、それぞれの課題をしっかり把握しながら、会員の皆様方のご意見・ご要望が施策に反映されるよう努めてまいります。4)その実現のため、副会長、専務理事及び常務理事並びに理事、監事、顧問の総勢28名の役員と一致団結して取り組んでまいりますので、今後とも、会員の皆様方のご協力・ご支援を賜りますようお願いして会長の挨拶とさせていただきます。
会長挨拶の後、役員を退任された方々から挨拶があり、会場から、感謝の気持ちを込めた盛大な拍手が贈られました。
次いで、障害を克服し旺盛な勤労意欲をもって優秀な勤務成績をおさめられた方に対する表彰(優秀勤労障害者)のお披露目が行われ、続いて永年にわたり全障協の業務に多大な功労のあった退任役員への感謝状の贈呈が行われました。
〔会長から感謝状を受ける大本 前副会長・監事〕
最後に、令和4年度以降に新規入会された事業所のうち、希望のあった8社にそれぞれ登壇いただき、自社の業務内容や障害者雇用状況等について紹介していただきました。