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ミニ情報通信

令和5年度通常総会が開催されました。

令和5年6月22日(木)午後2時から、アットビジネスセンター東京駅八重洲通り会議室で会員66事業所、82名(他に委任状158会員)出席のもとに標記総会が開催されました。

開会に当たり栗原会長から挨拶があり、その概略は次のとおりです。

1)会員の皆様には、たいへんお忙しい中、全国から多数お集まりいただき令和5年度の総会を開催できることに、たいへん喜んでおります。2)また、本日は公務ご多忙の中、厚生労働省の田中 職業安定局長様、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の輪島 理事長様にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。お二人には、全障協の事業活動に平素より、多大なご理解・ご支援をいただいており、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。3)特に、昨年12月に障害者雇用促進法等の改正が行われ、法定雇用率の段階的引き上げとともに、かねてより全障協が要望しております、障害者の長期継続雇用に取組む事業主に対する支援の拡充等につきまして大きく前進することとなりました。また、精神障害者の雇用率算定特例の継続なども実現いたしました。4)施策の具体化に当たっては、ヒアリング調査やアンケートによって全障協会員の意見も採り上げていただき、結果を国の審議会に検討資料として提出いただきました。これもお二方のお力添えの賜物と存じます。

5)昨年度1年間を振り返ってみますと、コロナ禍で一部制約はあったものの、全障協として様々な活動に取り組んで参りました。6)特に、全国7ブロックに相談コーナーを設け、セミナー等も実施する厚生労働省委託事業につきましては、実績目標をことごとく達成し、7年目となる本年度も受託することができました。これも皆様のご支援・ご協力のおかげと感謝いたしております。これからも、より高みを目指し、全会員が一致して取り組んでゆければと思います。7)協会独自の事業としては、職場見学会や経験交流などを内容としたブロック会議がようやくもとに戻りつつあります。特例子会社部会など、全国ベースの研究部会も、地理的制約のないオンライン会議を活用しながら進めてまいりました。今後も様々な研究部会を立上げ、全会員が参加できるような状況に広げてゆきたいと考えています。8)さらに、政策委員会など、全障協を少しでもよい方向にもってゆくための提言をいただくような委員会も立上げており、その検討結果を総会の要望事項等にも織り込んでゆきたいと思っております。会員の皆様のご意見をお聞かせいただくことも多くなると思いますので、よろしくお願いいたします。

9)本日は、この後、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部の津曲障害福祉課長から福祉・雇用施策の連携強化等についてご講演をいただきます。ご多忙の中、講演を引き受けていただき本当にありがとうございます。10)その後、様々な議案をご審議いただくことになっております。コロナ禍終息後を見据えて会員の皆様の慎重かつ積極的なご審議をお願いできればと考えておりますのでよろしくお願いいたします。


(通常総会 風景)


(挨拶する栗原 会長)

栗原会長の挨拶後、来賓としてご臨席いただいた厚生労働省職業安定局長の田中誠二様と、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)理事長の輪島忍様からご挨拶をいただきました。

まず、田中局長からは、概略、次のお話がありました。

1)貴協会役員、会員の皆様には日頃から障害者雇用政策の推進にご理解・ご協力を賜り心より感謝申し上げる。また、貴協会が長年にわたり重度障害者をはじめとする障害者の雇用を積極的に推進されるとともに、職場定着に関するノウハウを培い障害者雇用の啓発・促進に努めてこられたことに対して改めて敬意を表する。2)個人的にも若い頃から貴協会とお付き合いがあり、1998年長野パラリンピックで貴協会が障害者の雇用展示会を開催されたときに、ハローワークの立場で全面協力し大成功をおさめたことが一番印象に残っている。その頃からも、障害の有無にかかわりなく、障害者と一緒に働く場を作っていくという方向性をお持ちだったように思われ、その後貴協会の取組が大きく発展してきたことを喜ばしく思う。

3)わが国の障害者の雇用状況は、雇用者数が19年連続で過去最高を更新しており、令和4年度には約61万人となるなど着実に進展している。貴協会の会員をはじめ各企業の皆様の熱意と努力の賜であると考えている。4)厚生労働省としては、今後、障害者の雇用機会の確保を更に進めることに加え、雇用の質の向上に取組んでいくことが重要と考えている。5)昨年12月には、雇用の質の向上のための事業主の責務の明確化や事業主が取り組む職場環境の整備、能力開発のための措置などへの新たな助成措置、多様な就労ニーズを踏まえた働き方の推進に向けた週10時間以上20時間未満で働く重度の身体・知的障害者や精神障害者の実雇用率への算定などを盛り込んだ改正障害者雇用促進法が成立している。6)また、民間企業の法定雇用率については、令和6年4月に2.5%、令和8年7月に2.7%と段階的に引き上げるとともに、令和7年4月には除外率が10ポイント引き下げられる予定となっている。7)こうした中で、厚生労働省としては、企業の皆さまのご理解をいただきながら、ハローワークで実施する企業向けチーム支援を引き続き進めていくことに加え、納付金・助成金の拡充を含む改正法の施行を着実に図ることなどにより、雇用の質にも配慮した雇入れについて全力で支援していきたいと考えている。

8)貴協会におかれては、今年度も合理的配慮の提供や雇入れ、職場定着等についてノウハウ提供・相談支援を行う国の委託事業を受託いただいている。引き続き本事業の推進を通じて障害者雇用に取組む企業に対し、雇用の質の向上にも配慮した取組みが益々進むようにご支援いただくとともに、障害者雇用施策へのご協力・ご支援を変わりなくいただくようお願い申し上げる。

続いて、輪島理事長からは、概略、次のお話がありました。

1)本年4月1日にJEED理事長に就任した輪島と申しまして、私自身は、日経連に就職し2000年代の経団連との統合を経て、その間、ずっと労働政策を担当してきた。2)障害者雇用施策については、20年ほど前に労働政策審議会障害者雇用分科会の委員なども経験しており、その時に委員としてご一緒させていただいたのが栗原会長でいらっしゃる。3)全障協については、虎ノ門に全重協の本部があった時代に、事業報告会の場に経団連から出席しており、たいへん勉強になった。4)本日ご出席の皆様には、長年にわたって培った経験、ノウハウをもって障害者雇用に熱心に取り組まれ、その推進に大きく貢献されてきたことに深く敬意を表する。また、JEEDの行う事業についても多大なご理解・ご協力をいただいており重ねて御礼申し上げる。5)JEEDの支援サービスの1つである障害者雇用支援ネットワーク事業について、本日ご出席の皆さまの中にも平成30年度の事業開始当初から、雇用管理サポーターとしてご協力いただいている方が多数おられ、この場を借りて御礼申し上げる。6)本年11月17日から19日に愛知県国際展示場でアビリンピックを開催する予定となっている。技能競技と併せ、障害者ワークフェアを毎年開催しており、例年、全障協会員の皆さまにご出展いただいている。これについても重ねて御礼申し上げるとともに、引き続きご協力をお願いする。7)本年3月にフランス共和国メッス市で開催された国際アビリンピックでは、日本選手団30名の中から、8名のメダリストが誕生し、日本選手団としてもたいへん有意義な大会であった。金メダリストは来週、総理大臣から表彰状をいただくことになっている。メダリストになると、ご本人の自信につながることはもとより、職場に対する非常によい影響があるのではないか、会社への貢献そして雇用の質の向上にダイレクトに繋がっていくのではないかと考えている。8)全障協会員企業で研鑽されている社員の皆さまの参加を心待ちにしている。是非、国内アビリンピックへの積極的な参加をお願いする。また、メダリストによるエキシビションもやってみたいと思っており、もしかしたら自分もメダリストになれるのではないかと思ってもらえるような機会になればと考えている。9)本年2月にはJEEDでは新しく、「らしく、はたらく、ともに」というブランドメッセージを決めたところであり、今後は是非、JEEDとの名称が一般的に浸透していけばよいなと考えている。10)本日ご出席の皆さまにおかれてはJEEDの事業について引き続き特段のご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げる。

来賓のご挨拶の後、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課課長の津曲共和様から「令和4年障害者総合支援法等の改正〜障害者本人が就労先・働き方についてより良い選択ができるように〜」と題して講演いただきました。主な具体的内容は、就労継続支援事業(A型・B型)の現状、改正障害者総合支援法の概要、就労選択支援の概要、一般就労中の就労系障害者福祉サービスの一時利用、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について等でした。

講演の後、澁谷副会長が議長に選出され、議案が審議されました。

当日審議された議案は、令和4年度事業報告(第1号議案)、令和4年度決算報告及び監査報告(第2号議案)、令和5年度事業計画(案)(第3号議案)、令和5年度収支予算(案)(第4号議案)、令和6年度障害者雇用施策に関する要望事項(案)(第5号議案)及び役員改選(案)(第6号議案)であり、いずれも全会一致で承認されました。

これらの議案のうち、第1号議案から第4号議案までの資料は、当協会ホームページのメニュー欄「情報公開」をクリックするとご覧いただけます。(項目3〜10)

また、第5号議案の令和6年度障害者雇用施策に関する要望事項については、こちらをクリックするとご覧になれます。

第6号議案の役員改選については、中部ブロック及び近畿ブロックの理事の交代が全会一致で承認されました。また、栗原会長が退任され、加藤副会長が会長に就任されるとともに、加藤常務理事(東北ブロック長)が副会長に就任されました。併せて、東北ブロックの常務理事の交代、新たな顧問の委嘱がありました。役員改選後の全体は、当協会ホームページのメニュー欄「情報公開」の項目2「役員名簿」をご覧ください。

総会に引き続き、加藤新会長から就任のご挨拶があり、その概要は次のとおりです。

1)4代目の全障協会長に就任しました加藤勇と申します。どうぞよろしく願い申し上げます。2)昭和48年に心身障害者多数雇用事業所に対する特別融資制度が創設され、労働省指定モデル工業を作ろうというのが全障協の始まりです。重度障害者多数雇用事業所協議会が結成され、平成元年には社団法人の全重協となり、そして全障協に至る50年の歴史のある団体です。その間、当初は身体障害、それから知的障害、精神障害のように障害者雇用にも長い歴史があり、その都度、それぞれの会長のもとで様々な問題を解決してまいりました。3)しかし、全障協にとっても、まだまだ色んな課題があります。本日の議案の中にもありますように、各研究部会、異業種交流会、政策委員会、全障協在り方委員会そして各ブロック会議の中で皆さまのご意見を聞きながら組織の内側をしっかりまとめていかなければなりませんし、障害者雇用を行っている我々の意見を世間、公的にしっかりと認知してもらわなければなりません。それがなければ、障害者に対して本当に充実した施策、雇用はできないと思っております。4)こうした点について、皆さまのご協力のもとで組織運営、事業活動を全うしていく所存ですので、どうかよろしくお願いいたします。


(挨拶する加藤 新会長)

加藤新会長のご挨拶に続き、栗原前会長からご挨拶があり、その概要は次のとおりです。

1)まずもって、長い間ありがとうございました。平成20年から私が3代目会長を仰せつかりやってまいりました。終わってみれば、15年はあっという間だったという感じがいたします。2)一番記憶に残っているのは、衆・参議院労働委員会に参考人として、また厚生労働省の労働政策審議会に委員として出させていただいたことです。労働政策審議会本審で障害者関係について発言するのは私だけであり、労働関係の中の障害者について意見を言えた得がたい機会となったことが記憶に非常に大きく残っています。これも会員の皆さまのおかげであり、感謝申し上げます。3)本日は、加藤新会長、加藤丸の船出です。皆さま方には、全障協発展のため、倍旧のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げて退任の挨拶とさせていただきます。

続いて、加藤新副会長から新任のご挨拶があり、その概要は次のとおりです。

1)栗原会長には、たいへんお疲れ様でした。今年度、副会長を務めます加藤と申します。仙台で株式会社新陽ランドリーという全社員の6割が障害者の会社を経営し、グループホーム7棟で36名の生活支援を行うグループ会社も運営しています。2)全障協の会員の皆さまは、北海道から沖縄まで様々な障害者雇用の取組をされています。そういった実践されていること、様々なアイディアやお考えを是非、取り入れて全障協そのものを元気にしていきたいと思っています。3)皆さまの取組を拝見させていただき、皆さまと一緒に全障協の活動を頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。


(挨拶する加藤 新副会長)

加藤副会長のご挨拶に続き、新任の常務理事・理事の自己紹介が行われ、最後に新たに就任された湯浅顧問からご挨拶があり、その概要は次のとおりです。

1)長い歴史と実績のある全障協の顧問という形でご指名いただき本当に光栄に思っています。素晴らしい機会を与えていただきありがとうございます。2)私は、第一生命に39年間勤め、最後の7年間は特例子会社で本部長から、社長、顧問として仕事をし、それがそもそもの障害者雇用に携わる発端です。その時に栗原前会長、丸物 元専務理事(現.顧問)をはじめ全障協の方々にたいへんお世話になりましたので、微力でも役に立てばということで顧問を引き受けさせていただいた次第です。3)働く障害者と接した私の原点は、一緒に暮らしていた両脚が不自由で両松葉杖を使用する叔母が、商工会議所で経理の仕事をしている姿を見て、子どもながらに感銘を受けた記憶です。4)障害者雇用に係る仕事を始めて、ようやくその時の叔母がいかにたんへんだったかということを感じる次第です。そういう方々が少しでも世の中で自分の力を発揮できて、自身が働きたい仕事に就き、活き活きと生きていく社会をつくるために皆さまと一緒に頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。


(挨拶する湯浅 顧問)

改選役員の紹介・ご挨拶の後、全障協の発展に多大な貢献をしていただきました栗原前会長に、加藤新会長から感謝状と記念品が贈られました。

満場の出席会員からは、永年のご功績に対し、感謝をこめた盛大な拍手がおくられました。


(加藤新会長から栗原前会長に感謝状贈呈)


(感 謝 状)