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ミニ情報通信

令和4年度九州・沖縄ブロック 障がい者雇用特別セミナーが開催されました。

令和4年9月29日(木)午後1時35分から、標記セミナーが「障がい者の働きやすい職場とは〜定着率向上に向けた取り組み事例から学ぶ〜」をテーマにオンラインで開催されました。

このセミナーは、全障協が厚生労働省から受託した「障害者に対する差別禁止・合理的配慮等に係るノウハウ普及・相談支援事業」の一環として開催されたものです。

最初に全障協の栗原会長から開会のあいさつがあり、その概要は次のとおりです。

1)多くの皆様に本セミナーにご参加いただきありがとうございます。新型コロナウイルス感染が再び急拡大するなか、社会経済活動の維持も大きな課題となっており、皆様には、障害者雇用の維持・拡大や感染要望等にたいへんご苦労されていることと遠察しております。また、今夏は全国各地で大雨による災害が発生しており、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。2)全障協は、本年度で設立34年目に入り、その間、公益社団法人への移行、全重協から全障協への団体名の変更などの歩みを進めてまいりました。3)国の障害者雇用施策についても、本年6月に審議会の意見書が厚生労働大臣に提出され、大きな転換期を迎えつつあります。4)こうした中、全障協の目的である「障害者の雇用の促進及び職場定着の推進」のため、一層効果的な事業展開を図っていく所存であり、引き続きご理解・ご協力を賜るようお願い致します。5)全障協は、一般企業、特例子会社、就労継続支援A型事業所など多様な全国334会員(令和4年6月末現在)からなっており、特定の分野に特化していない唯一の全国団体です。このため、障害者雇用に関する様々な情報・ノウハウの提供や企業見学会等について1団体で対応できることを特色としています。6)平成29年度からは、厚生労働省から合理的配慮に係るノウハウの普及等を目的とした事業を受託し、全国7主要都市に障害者雇用相談コーナーを設置しています。コーナーには専門相談員を配置していますので、是非、気軽に活用いただきたいと存じます。7)本日のセミナーもこの厚生労働省からの受託事業の一環として開催するものであり、今後の障害者雇用に活かしていただければと期待しています。

開会あいさつに次いで、ASKUL LOGIST株式会社西日本物流事業本部福岡流通センター副センター長の坂井博基様により、「障がい者の採用から定着率向上までの取り組み」と題して特別講演が行われ、その概要は次のとおりです。

1)当社は障害の有無によって給料や仕事を区別していない。また、世の中の障害者就労支援では、失敗しないように何でも先回りして準備してあげるヘルプが中心となっていることが多いが、むしろ、自発的な行動や、やる気を尊重するサポートが重要と考えている。2)障害者雇用を何故行うかと言えば、@法定雇用率の達成、A会社のCSR活動の一環、B社長・役員の思い、C長期的な労働力人口問題の対策の一環、D障害者の方が能力が高いとの判断が挙げられる。3)当社福岡物流センターにおいて障害者が就いている仕事としては、ピッキング作業、伝票発行や館内放送等の事業所内作業、入荷検品作業、梱包などがある。4)また、同物流センターの従業員300名のうち障害者は59名で、実雇用率は約30%、10年間の定着率は約80%となっている。採用は、特別支援学校、支援機関からのみ行っている。5)作業事故は毎年減少しており、障害者雇用率がUPして、作業効率もUPしている。6)障害者雇用で重要な点は、まず、すべての人が働きやすい職場環境をつくるという目的と価値を大切にすることである。7)また、平等と公正をはき違えないようにし、平等な評価・給与・機会、公正な指導・環境が大切である。8)雇用について企業側の問題点と課題を抽出することが重要であり、対応方法は、5M(人、方法、測定、材料、機械)+1E(環境)で考えるとよい。9)企業側の知識の問題の解消については、百聞は一見にしかず、百見は一験にしかずとの考えから、特別支援学校の見学、実習の受入れで対応している。10)考え方の問題については、雇うだけではなく、戦力化できる仕組みづくりに転換することが重要であり、本人に何がやりたいか聞いて進めることが大切である。11)採用はインターンシップを複数回(夏1回、秋1回、年明け1回)実施して行う。これまで、本人に入社の希望があればすべて採用に至っている。本人の希望がなく、採用に至らなかったケースもある。12)採用の後に、特別支援学校に出向いて入社前事前説明会を開催し、入社後の育成プランを提示するとともに、会社に必要だから来てほしいと話している。13)目指す社員像は、個人の特性に合わせた価値の創出ができる「オンリーワンバリュースタッフ」であり、そのため、本人の長所のみを見て、多くの可能性を探り、ピッキング作業を必須とし加えて複数の仕事を経験してもらうようにしている。14)障害者同士が互いに教え合い、成果を数字で表して自信をつけ、自身→他信(他人を信頼する)→相信(相互に信頼する)→多信(多くの人を信頼する)と進めることにより組織の成功循環モデルを回している。15)これからの社会では、医療機関などの治療共同体と特別支援学校や障害者就業・生活支援センターなどの支援共同体をつなげていくこと重要であり、それができるのは企業である。

(坂井様のお話の詳細は、こちらの資料をご覧ください。)

特別講演に続いて、参加者が少人数に別れたグループディスカッションが実施され、グループにおける議論を踏まえて講師に対する質疑応答が行われました。質疑応答では、「重度知的障害者が迷わずに作業できるよう工夫している作業手順」「支援機関、家族等との連携をうまくとる方法」など多様な質問が積極的に行われました。

最後に、岩ア九州・沖縄ブロック長から閉会の挨拶として、障害者雇用については、ともに生き、活かすこと、体験をもとにして分かち合い、わかり合えることが重要であり、本日は皆様と分かち合えて感謝とのお話がありました。