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ミニ情報通信

令和2年度中部ブロック 障がい者就労支援セミナーが開催されました。

令和3年2月25日(木)午後1時30分から、標記セミナーがオンラインで開催されました。

このセミナーは、全障協が厚生労働省から受託した「障害者に対する差別禁止及び合理的配慮に係るノウハウ普及・対応支援事業」の一環として開催されたものです。

セミナーは、名古屋相談コーナーの萩野障害者雇用相談員の司会進行のもと、プログラムが進められました。最初に全障協の栗原会長から開会のあいさつがあり、その概略は次のとおりです。

1)多数の皆様に参加いただき感謝、2)新型コロナウイルス感染症の一日も早い終息を願ってやまない。本日のセミナーも感染拡大防止の観点からオンライン開催となった。円滑にセミナーが進行できるよう精一杯努めてまいりたい、3)全障協は、障害者を多数雇用している事業所が集まって作った団体であり、昨年度に設立30周年を迎えた。精神障害者の雇用が増加し、また、精神障害に重度の概念がないこと等を踏まえ、団体名から「重度」をはずして昨年4月1日に全障協に名称変更した、4)全障協は、北海道から沖縄まで全国325会員(令和2年9月1日現在)を擁しており、一般企業、特例子会社、就労継続支援A型事業所など多様な会員で構成されている。そういった意味で特定の分野に特化していない唯一の全国団体であり、障害者雇用に関する情報・ノウハウの提供について、すぐにでも参考となるようなお世話ができるので活用いただきたい、5)全障協の活動としては、厚生労働省の委託により、セミナーの開催や専門相談員を配置した障害者雇用相談コーナーの運営を行っているほか、全国7ブロックで年2回ずつブロック会議を開催するなどにより、会員相互間の経験交流などを図ってきている、6)本日のセミナーでは、「発達障がい者の特性や心理の理解と対応について、ネット検索や書籍以上にリアルに語り企業内の活躍を目指す」をテーマに、発達障害ピアカウンセラーの笹森理絵様から特別講演を行っていただく、7)続いて、愛知障害者職業センター主任障害者職業カウンセラーの綱川浩一郎様、東邦フラワー株式会社代表取締役の安藤嘉英様から、事例発表をお願いしている、8)また、少人数のグループに分かれて経験交流等を行っていただくグループディスカッションの時間も用意している、9)限られた時間ではあるが、是非、セミナーの内容を参考にしていただき、今後の障害者雇用に活かしていただければと期待している。

次いで、笹森様による特別講演が行われ、ご自身の体験を紹介されつつ、1)発達障害は外見からは配慮事項がわかりづらく、時には特性への理解だけでは足りない時があり、ご本人のこれまでに思いをはせ、過去は変えられないが未来をともに変えていこうと寄り添うことできっかけが得られることはある、2)発達障害はスペクトラムをなしており、人によって濃淡がある。発達障害の特性に近いものは誰しも持っているが、それが障害に変わる瞬間・事象があるかどうかは、その人の生き方次第、環境次第である。たとえ障害があっても、それがその人のすべてということでもない、3)就労はお金を得るためだけではなく、自己実現でもあり、自己実現支援と就労支援はつながっている、4)合理的配慮については、それぞれの企業の状況によって限度があるが、特別扱いとは捉えず障害由来の不便さがある人の社会参加を支える上で必要なことと理解してほしい、5)発達障害の当事者の中には、シンプルな仕事には飽きたり、同じことを続けるのが得意など、様々なタイプの方がおり、個性を活かして仕事にチャレンジしてもらう甲斐はある、といったお話がありました。

続いて、綱川様から事例発表@として、障害者職業センターの職業準備支援、ジョブコーチ支援、企業見学や社員研修の企画実施等について具体的な支援事例を交えて紹介がありました。

さらに、安藤様から事例発表Aとして、1)当社は、2020年3月に認定を受けた特例子会社であり、従業員12名のうち障害者が7名である、2)当社の役割は、法定雇用率の持続的達成と地域社会への更なる貢献である、3)課題は、収益の安定化とグループ全体の雇用促進と就労定着である。このうち収益の安定化については、新たな定型業務の切り出しのほか、新型コロナウイルス感染症関連サービスの展開として、レストランのマスク置き製作、アクリルパーテーション等の仕入れ・販売、アルコール消毒液の詰め替えなどを行っている。雇用促進・就労定着については、新規採用活動の支援、個別フォローの推進に取り組んでいる、4)仕事環境については、椅子の代わりのバランスボールや、イヤーマフの使用を認めるなど、一人一人の障害特性に配慮して整備している、5)今後の活動として、収益の安定化については、デザイン力の向上、受注体制の確立等による印刷事業の外販強化、及び電子化業務の拡充、名刺管理業務の確立などによるDX事業の推進を図ることとしている、6)雇用促進、就労定着については、就労継続支援A型事業所等との協力体制の確立、障害者相談窓口の創設、管理システムの導入等を行うこととしている、といったお話がありました。

続いて、「障害者雇用に関して聞きたいこと」をテーマとしたグループディスカッションが行われました。その後、全体ミーティングに戻って、障害を受容していない方への支援の留意点、ジョブコーチの効果的活用のポイントなど、チャットで寄せられた質問への応答が行われました。

最後に、大西中部ブロック長から閉会のあいさつがあり、1)講師の皆様には、貴重なお話をいただき、感謝申し上げる。また、皆様には、お忙しいなか参加いただきお礼申し上げる、2)法定雇用率が2.3%に引き上げられることとなり、様々な取組みを行っていかなければならないが、本日のセミナーを今後の障害者雇用に役立てていただきたい、3)名古屋相談コーナーを気軽にご利用いただくとともに、全障協のネットワークやホームページも活用いただきたい。4)働くすべての人々に安心が訪れることをお祈りしつつ閉会としたい、とのお話がありました。