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ミニ情報通信

令和元年度上期北海道ブロック会議が開催されました。

 去る7月23月(火)午後4時から、札幌市中央区の「かでる27」(道民活動センタービル)において標記会議が開催されました。
 最初に栗原会長があいさつされ、1)今年度も相談コーナーなど厚労省の委託事業を受けることができ会員の皆様の協力・支援に感謝申し上げるとともに、企業見学の機会を提供いただいた北海道ロジサービス株式会社にお礼申し上げる、2)受託事業も3年目となり、全重協の知名度があがり会員が増えてきたが、事業予算に毎年シーリングがかかることから、財政的には厳しくなっており、会員の皆様のご協力をお願いする。受託事業を実施するからには、さらに会員増となるよう共にがんばっていきたい、3)全重協の名称については、精神障害に「重度」の概念がないことや、公益法人化した平成元年から30年の節目を迎えたことなどから、来年4月に「公益社団法人全国障害者雇用事業所協会」と変更し、略称も「全障協」とすることが決まった、4)この名称変更は、当協会をさらに大きくするためのステップと考えている、5)今後、立ち上げられる全国レベルの研究部会で出された意見のうち、よいものは厚生労働省にも提言していきたい、といった話がありました。
 続いて本部報告として、1)先の通常国会で障害者雇用促進法が改正され、障害者の活躍の場の拡大に関する措置、国及び地方公共団体における障害者の雇用状況についての的確な把握等に関する措置が設けられた、2)厚生労働省からの受託事業として実施している障害者雇用相談コーナーの周知について、会員の皆様にもご協力いただきたい、また、3)会員の皆様ご自身も気軽に相談コーナーをご利用いただきたい、4)同じく厚生労働省からの受託事業として実施している障害者活躍企業の認証については、この6月から8月末まで申請を受け付けているので積極的に検討いただきたい、5)これまでのブロック会議や都府県支部会議のような地域毎の会員の集まりに加えて、今後は、A型や精神障害者、助成金といった特定のテーマ毎に全国の会員にご参加いただく研究部会を設けることを検討しているので、積極的に参加いただきたい、6)昨年度は、会員からの寄付が減ってしまったので、今年度は積極的なご寄付をお願いしたい、といった話がありました。
 その後、出席各社から近況報告があり、1)加齢により作業能力が低下した障害のある従業員にどのように職場を提供するか、2)最低賃金の上昇の影響、3)障害者の定着率をいかに高めるかといったことについて報告がなされました。
 最後に、研究部会立ち上げに向けて、興味のあるテーマ等に関するアンケート結果について横堀 北海道ブロック長から報告が行われ、1)青年部会の立ち上げについては、全国12〜13会員から既に賛同を得ている、2)助成金についても関心が高い、3)ソーシアルファームや政策提言の部会を立ち上げる話も出ている、といった話がありました。また、出席者から、労働関係の助成金について、書類が多すぎる、審査基準がわかりにくいといった意見や、助成金が頻繁に改正されるので、本部から情報提供をしていただきたいといった意見が出されました。

 今回のブロック会議については以上ですが、当日は、会議に先立って江別市内に所在する北海道ロジサービス株式会社を見学させていただきました。
 同社は、生活協同組合コープさっぽろの物流子会社として2012年に設立され、本年7月現在で身体障害者6名(うち重度2名)、知的障害者1名、精神障害者3名を雇用しています。
 見学の前に生活協同組合コープさっぽろ専務理事の中島則裕様からあいさつをいただき、1)コープさっぽろグループで障害者雇用率5%を目指し、3年で達成した、2)先進的な取組みを行っている全重協会員企業にご指導いただいている、3)全重協と交流を重ね障害者雇用の取組みを更に広げていきたい、といった話がありました。
 続いて生活協同組合コープさっぽろ人事・総務グループの藤枝幸子様から概況説明を行っていただき、1)北海道ロジサービス(株)の障害者雇用数は本年7月10日現在で10名、うち週所定労働時間20時間未満が4名であり、グループの中では障害者雇用が少し遅れていることから、新たな推進が必要と考えている。なお、道路貨物運送業のため除外率20%が適用されている、2)グループ全体で見ると、身体障害者は大半が51歳以上であり、高齢化への対応が課題となっている、3)また、知的障害者は平均年齢28歳と若いが、3年くらいは張り切るものの、長くなると仕事への興味が薄れてくる傾向があり、30〜40代になっても戦力となる仕組みが必要と考え、昨年度から正社員登用制度を設け、今年度10名を登用した、4)精神障害者は年齢に偏りなく在籍しており、いかに戦力化するかが労働力確保のうえでも重要、5)北海道ロジサービス(株)については、物流業務であるためフルで働く仕事は少なく、短時間集中の労働力が必要という特徴があることから、フルタイム就労のために多能工化を図っていくことが必要と考えている、6)宅配のピッキング作業の後方作業などに、7月下旬から就労継続支援A型事業所の施設外就労を10名受け入れる予定であり、その中から直接雇用も実施していく、7)障害者が戦力になっていることで、社員にも障害者雇用に対する理解が進んできている、といった話がありました。
 概況説明のあと藤枝様の案内で、店舗仕分けセンター、商品在庫センター(自動倉庫)、宅配ドライセットセンターなどを見学させていただきました。商品情報を入力すると自動的に所定の場所に配庫されたり、宅配用のピッキングをロボットが行っているなど、施設内はオートメーション化が進んでおり、作業のオートメーション化と障害者雇用の推進の組み合わせについて示唆に富んだ見学会となりました。