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ミニ情報通信

平成30年度近畿ブロック会議が開催されました。

  去る7月17日(火)午後1時30分から、NTTドコモ大阪南港ビル(大阪市住之江区)において、標記会議が開催されました。

 当日は、まず最初に、当協会会員の株式会社ドコモ・プラスハーティ様の見学ということで、同社で雇用されておられる重度の知的障害者の方々がテーブルや椅子、床を清掃される様子を見せていただきました。
 同社は、2015年10月に設立されたNTTドコモの特例子会社で、ビル清掃の受託業務やドコモグループ各社の障害者雇用、定着の支援を行っています。
 従業員は全部で128人で、うち87人が障害者だそうです。
 大阪の他、東京の池袋、品川、墨田、代々木及び神奈川の横須賀の6か所に清掃拠点があり、障害者はドコモグループ各社の社員の方々が働いておられる職場で清掃作業に従事しています。
 同社が行う清掃作業は、チャレンジドハウスキーピングシステム(障害のある社員と指導者が共に行う清掃)により、そうじ(片づけ)、衛生(清掃、洗浄)のみならず感染防止(消毒)まで視野に入れて行うことが特徴です。
 また、カーペットの清掃を行う際に、広いエリアは静かで効率的なバッテリー式のスイーパーで清掃する一方で、狭いところや什器の多いところは同じくバッテリー式のバキュームクリーナーで清掃する等、失敗しない道具と仕様を活用することにより、障害者が効率的かつ効果的に働けるようにするための工夫も行われています。
 さらに、同社では、小型のふきとり検査器によって有機物系の汚れを数値化したり、チャレンジドハウスキーピングシステムを開発した専門家に導入研修やその後の定期的な業務点検をお願いすることにより、清掃業務の品質管理を徹底しています。
 こうした取組により、同社は受託業務の拡大を図っているそうです。
 以上は、同社の清掃業務改善に向けた取組ですが、同社はこうした取組に加え、知的障害のある社員が1日でも長く社会の一員として能力を最大限に発揮して活躍できるよう毎日帰宅前に1時間程度公文式の学習(国語と算数)を行っているそうです。
 また、同社は障害者が行う清掃業務の他にも、ドコモグループ向けの障害理解関連研修やドコモグループ各社で働く障害者、同僚、上司からの仕事上の相談を受け付ける窓口の設置等も行っています。
 設置からまだそれほど年月がたっていないにもかかわらず、このように様々な業務をやっておられる同社の取組は、他の会員企業にとっても大いに参考になるのではないでしょうか(詳しくはこちらの資料をご覧下さい)。

 同社の見学の後はブロック会議ということで、まず最初に栗原会長からあいさつがあり、1)6月に開催された総会で会長に再選され、近畿ブロックの大本副会長や奧脇常務理事、天井、大谷の両理事と共に引き続き全重協の運営に携わることになった、2)厚生労働省の「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」において、納付金制度や調整金、報奨金の在り方等について検討が行われている、3)同研究会については、この夏に取りまとめが行われ、その後審議会での検討も予定されているといった話がありました。
 また、栗原会長のあいさつの後は、本部報告ということで、1)昨年度は新規入会も増え、また、寄付もかつて例を見ないほど増えた、2)これには、全重協が厚生労働省からの受託事業を実施したことにより、知名度が多少なりとも高まったということも影響しているのではないか、3)今年度も厚生労働省の事業を受託できたので、相談コーナーや障害者活躍企業認証事業の周知等にご協力をお願いしたいという話がありました。
 本部報告の後は、近畿ブロックの報告ということで、奧脇ブロック長から、今年の12月に今年度3回目のブロック会議を開催し、同時に厚生労働省からの受託事業であるセミナーも実施したいという話がありました。
 さらに、近畿ブロックの報告の後は、各府県支部の報告ということで、支部会議の開催状況や会員どうしで行っている勉強会の実施状況、さらには労働局等行政との連携についても報告がありました。
 以上の報告の後、今度は、近畿ブロック恒例のグループディスカッションが行われました。
 このグループディスカッションは、1つの机に2人すわっている中で、偶数列の机の人達が2組ずつ後ろを向いて、奇数列の4人と一緒に8人のグループになって行うもので、今回は障害者雇用の課題、対応や危機管理事例について話し合いが行われました。
 特に危機管理事例については、先月発生した大阪北部地震の際に通勤が困難になった障害者への対応等について活発な情報交換が行われました。
 
 今回の近畿ブロック会議については以上ですが、今回は、北海道ブロック長の横堀さん(クリーンリース株式会社専務取締役)も参加され、近畿ブロックの会員の皆さんと懇親を深められました。
 こうしたブロック間の交流は、自分のブロックだけでは分からない新たな発見につながることもあり、全国組織である全重協だからこそできることです。
 会員の皆様におかれましても、時には他のブロックの会議に参加されてはいかがでしょうか。